Notes / LP Design

AIで作った"キレイなLP"ほど売れない。
2026年に効くのは整列より『崩し』だった

2026.06.18

クレジットカードの明細に、覚えのないLP生成ツールの課金が並んでいた

月初の朝、コーヒーを淹れながらクレジットカードの明細をチェックしていたら、海外サービスの少額課金が3件並んでいた。すべて、検証のために登録したLP自動生成ツールだった。「テキストを1行入れれば、丸ごとLPが出てくる」と話題になっていたやつを、自分の手で試すために契約していたのを思い出した。

解約する前に、せっかくなので生成したLPを5枚、ブラウザに並べて開いてみた。どれも、驚くほどキレイだった。余白は整い、フォントは揃い、配色は破綻していない。10分前まで存在しなかったページが、制作会社の中堅デザイナーが1日かけて作ったような顔をしている。正直、感心した。

その隣に、ブックマークしておいた競合他社の本物のLPを5枚、並べて開いた。そして、画面を見比べた瞬間に、背筋がすっと冷たくなった。どれがAIで、どれが人間が作ったものか、ぱっと見では区別がつかない。もっと言えば、10枚すべてが「同じ顔」をしていた。

これは、LP制作を生業にしている自分にとって、希望でもあり、危機でもあった。今日は、LP制作100件以上の現場に立ってきた立場から、「AIで作ったキレイなLPほど売れなくなる」という、2026年に起きている逆転現象の正体を書く。そして、その逆を行く設計の考え方を3つに絞って共有したい。

なぜ、AIが作るLPは全部「同じ顔」になるのか

誤解のないように先に言うと、AIのLP生成ツールは優秀だ。配色のセオリー、余白の取り方、文字組みのバランス。デザインの教科書に載っている「正解」を、瞬時に再現してくる。問題は、まさにそこにある。

AIは、世の中にある無数のLPを学習して、その平均値を出力する。だから、出てくるものは常に「平均的に正しい、整ったLP」になる。きっちりグリッドに沿って整列し、誰が見ても破綻のない、無難なデザイン。これが世界中で同時に量産されると、何が起きるか。「整っていること」そのものが、もはや差別化にならなくなる。

2026年のWebデザインのトレンドを追っているメディアでは、「アンチグリッド」という言葉が繰り返し登場している。あえて要素を斜めに置く、わざと重ねる、整列を崩す。一見すると素人っぽく見えるこの手法が、なぜ今プロの現場で注目されているのか。答えはシンプルで、整然としたデザインが、AI生成物と見分けがつかなくなったからだ。

お客様は、デザインの理屈を言語化できなくても、感覚では見抜く。「なんか、どこかで見たことがある」「テンプレっぽい」「自分に関係なさそう」。この無意識の警戒が走った瞬間に、指はそっと戻るボタンへ向かう。完璧で無機質なものに対して人が警戒を覚えるのは、AI生成コンテンツが日常に溢れた、今だからこそ強まっている反応だ。

AIが作れるのは「整ったLP」まで。
お客様が反応するのは「自分ごとに見えるLP」。
この2つは、まったく別のものだ。

量産LPの海で選ばれる、3つの考え方

では、AIで誰でもキレイなLPが作れる時代に、自分のLPをどう設計すればいいのか。現場で効いている考え方を、3つに絞って共有する。どれも、ツールの機能ではなく「人間が決める部分」の話だ。

Element 01
整列を一度わざと崩す「アンチグリッド」を一点だけ入れる
全面崩しは逆効果/効かせどころは1〜2箇所だけ
全部を崩すと、ただ読みにくいページになる。狙いは「整然とした流れの中に、意図的な引っかかりを1箇所だけ作る」こと。たとえば、一番読んでほしいキャッチコピーだけ、本文のグリッドから少しはみ出させる。写真とテキストをあえて重ねる。価格や実績の数字を、わざと余白の真ん中にぽつんと置く。人の目は「揃っているもの」を流し読みし、「少しズレているもの」で止まる。この一点の崩しが、テンプレ感を消し、「これは手をかけて作られたページだ」という印象を生む。
Point
崩すのは1〜2箇所。残りは整える。崩しは「読ませたい場所」にだけ使う。
Element 02
ファーストビューの3秒で「これは自分の話だ」と言い切る
モバイル流入が全体の7割超/最初の画面で6〜7割が離脱する
今のLPの勝負は、スマホで最初に表示される1画面、それも3秒で決まる。ここで「このページは自分に関係がある」と感じさせられなければ、どれだけ下が作り込まれていても読まれない。AIは見た目を整えられても、「誰の、どの悩みに向けたページか」を勝手に絞り込んではくれない。ここは人間が決める領域だ。「LP制作します」ではなく「広告を出しても問い合わせがゼロのLPを、申込が発生する形に作り直します」。主語をお客様の状況に寄せて、最初の1行で言い切る。万人向けの整ったLPより、たった一人に刺さる尖ったLPのほうが、結果として多くの人を動かす。
Point
ファーストビューは「キレイさ」ではなく「自分ごと化」で設計する。
Element 03
AIが代われない「設計」と「コピー」で差をつける
見た目はコモディティ化/勝負はその下の構造に移った
AIで見た目が誰でも揃えられるようになった今、本当の差がつくのは見た目の下にある構造だ。お客様がどんな順番で何を読めば「欲しい」と思うのか、どの不安を、どの位置で、どの言葉で消すのか。この導線設計と言葉選びは、お客様の現実を取材し、その商品の強みを理解した人間にしか組めない。きれいに整ったLPは、もはやスタートラインに立っただけ。そこから先、申込ボタンを押させるのは「設計」と「コピー」だ。SUICSがLP制作で単なるデザイン業者と一線を引いているのは、まさにこの「売れる構造」を組むところに価値を置いているからだ。
Point
AIに任せるのは「整える作業」。人間が握るのは「売れる設計と言葉」。
AI-era LP : Why "clean" loses
同じ顔のLPと、選ばれるLP。分かれ目は見た目の下にある
AI GENERATED 整ったLP(量産) きれい・無難・どこかで見た顔 → 3秒で「自分には関係ない」 DESIGNED TO SELL 選ばれるLP(崩し+設計) あなたの悩みを名指しする1行 実績の数字 申し込む 一点の崩し・自分ごとの1行・売れる導線 → 3秒で「これは自分の話だ」

注意:「崩せばいい」と勘違いすると、ただ読めないページになる

ここまで読んで「じゃあ全部斜めにして、要素を重ねまくればいいのか」と受け取ると、確実に失敗する。アンチグリッドは、整然とした土台があって初めて効く「引き算ではなく、足し算の例外」だ。全面を崩したページは、おしゃれに見える以前に、どこを読めばいいか分からない迷子のページになる。

順番が大事だ。まず、AIや既存ツールでいいので、整ったLPの土台をきちんと作る。その上で、最も読ませたい1〜2箇所にだけ、意図して崩しを入れる。そして全体を貫くのは、見た目ではなく「誰の、どの悩みに、どの順番で答えるか」という設計。この優先順位を逆にすると、見た目だけ奇抜で中身のないLPが出来上がる。

もう一つ、LPは一度作って終わりではない。ファーストビューでどれくらい離脱しているか、どこまでスクロールされているか。アクセス解析のデータを見ながら、大改修ではなく小さな手直しを続けるほうが、結果につながりやすい。AIで作った人と差がつくのは、公開した後の「数字を見て直し続ける」習慣の有無でもある。

「整ったLPはあるのに売れない」と感じたら

今は、見た目がキレイなLPは、お金をほとんどかけなくても手に入る。だからこそ、これからLPで成果を出したい事業者がやるべきは、ツールでキレイに作ることではない。「誰の、どの悩みに向けたページか」を絞り込み、その人が申込ボタンを押すまでの順番と言葉を設計することだ。見た目はもう、スタートラインでしかない。

SUICSのLP制作は、デザインを納品して終わりではなく、お客様の現実を取材して「売れる構造」を組むところに重心を置いている。整いすぎて埋もれているLPを、たった一人に刺さる尖ったページへ作り直す。AIで量産されたページが増えるほど、この「設計とコピーで差をつける」価値は、むしろ際立っていく。

すでに自作・テンプレで作ったLPがあるなら、それを活かしながら、効くポイントだけ手を入れる形でも進められる。よくある構造の失敗を先に知りたい人は 「売れないLPに共通する致命的な3つの失敗」 も読んでほしい。

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解決できる悩み:「AIやテンプレで作ったLPがキレイなのに問い合わせがゼロ」「どこかで見たような顔で、自社の強みが伝わらない」「ファーストビューで離脱されている気がする」「広告やSNSで集客した人を、申込まで運べていない」「デザインは整ったが、何を直せば売れるか分からない」。お客様の現実の取材から、ファーストビューの言い切り・読ませる順番の設計・申込まで運ぶコピーまで、見た目の下の「売れる構造」を一緒に組み直します。
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